たのしい開発スタートアップ Ruby


読みました。かなり時代の流れに乗り遅れたタイミングで読みました。
可愛い表紙から内容がライトなイメージを得ますが、結構ヘビーに詰め込んでいます。

内容としては Ruby プログラミング入門というワケではなく、どちらかというと、文化への入門本でした。Ruby によるプログラミングの話を主題に持ち味を活かしたコードと、それによる開発手法の紹介をおこないつつ、コレから文化を学ぶにあたって目指すと良い指標も示しており、プログラミングの初心者も Ruby の初心者も楽しめる内容かと思います。ただ、Ruby に習熟された方が読む本では無いとも感じたため、興味を誘う本としてアリな本です。また、表面的にしか Ruby の良さに触れていない人にも是非読んで欲しい本ではあります。

ちなみに、本書で個人的にイチオシなコードは下記のコードでした。Ruby を使っている人なら当たり前なコードなんですが、これほど良く Ruby の特色を表したコードも無いので引用しておきます。

class Object
  def hello
    'Hello World'
  end
end

1.hello
#=> Hello World

'A'.hello
#=> Hello World

Ruby の全てのオブジェクトが継承しているクラスを拡張する事によって全てのオブジェクトの振る舞いを変える事が出来るテクニックです。Ruby on Rails でもこのテクニックを用いられています。

この本を読んだ後は Rails の本を読むと Ruby 開発を体系的に学べるのでは無いかと思います。僕自身、今は Rails によるアジャイル Web アプリケーション開発を読んでいますが、この次に読むには非常に良い本だと思いました。ただ、Rails は覚えるのに非常に気合いが要るので未だに本を最後までこなせていないんですよね... 頑張ります。