完璧志向が子どもをつぶす

タイトルを見て初めに思ったのが現代の子育ての "まずさ" についての本だなという印象でした。子どもをとりまく環境や、その親の成長過程について統計をもとに論じてます。子育てとはかくあるべき、という主張ではなく一般論だなぁと感じました。







袖より

昔にくらべればはるかに豊かな日本で、なぜ今、親も子も苦しい状況におかれているのか?日本社会の急激な変化の中で、小さな子どもにふれた経験がないまま親になる人がふえ、育児というマニュアルのない世界に戸惑う母親が急増している。本書は、著者の長年の精神科臨床(小児・思春期外来)での経験と大規模な子育て実態調査のデータに基づきながら、現代日本の子育てをめぐる状況の全体像を明らかにする。


目次

序章 「小さい頃はいい子」がなぜ?
第1章「赤ちゃんはなぜマニュアルつきで生まれてこないの?」
   乳幼児を知らない母親たちの急増
第2章 二代目専業主婦が母になるとき
  「自己実現」と「親役割」の間で
第3章 心の発達には道筋がある
第4章 父親にとって子育てとは
第5章 完璧な親なんていない

それには親が子どもに対して過度にかける期待や行動の押し付けが、自身にストレスとして返ってくることから本書では 100 点では無く、 70 点を目指す子育てを推奨しています。確かに満点の子育てを目指していたら自分のストレスなんて半端なものじゃ無いんでしょう。しかも、学業のテストみたいな答えが決まってる物でも難しいのにどう転ぶか分からない子育てなら尚更なんでしょう。しかし、だからと言って 70 点を目指すのは "違うな" と思う訳です。言い方は悪いですが、 70 点付近の子どもとして成長するだけではないですか。そもそも何故減点方式基準で? とも思う訳です。 30 点逃したのなら、他で相当するものを取り返したらいいだけではないかと思います。今ある価値を守ることが基準で語られているため、どうしてもその辺が納得できませんでした。おそらくネガティブなアンケート項目が多かったことが関係あるのかなとは思いますが。

これだけ書きましたが、所詮子育てした事もないので自分の理想でしかありません。自分が子どもを持ったとしたらどういう行動をとるかも予想できませんし、唯一分かることは思い通りにはいかないんだろうなぁって事ですね。子育てを楽しむ余裕が重要な気がします。というよりも育てていることを意識しないことかも。